2025.3.14

「私のハタオリマチ日記展」開催しました。

1000年以上続く織物の産地「ハタオリマチ」で繰り広げられる、RIHO、SACHI、AOIの物語をイラストと文章で綴ってきた「私のハタオリマチ日記」。等身大の女の子たちがこのマチに辿り着き、文化や人との出会いを通した甘酸っぱい風景を3年間に渡ってお届けしてきましたが、この度ハタオリマチフェスティバルに合わせてイラストの展覧会「私のハタオリマチ日記展」を開催し、無事終了しました。

開催概要はこちら

「私のハタオリマチ日記」とは、私たちが2016年から活動しているハタオリマチのハタ印の一環ではじまった企画です。いつかご一緒したいと切に願っていたイラストレーターのmameさんに全面的にご協力いただき実現した、mameさんのイラストで描く、ハタオリマチを舞台にした3人の女の子の成長ストーリーです。

RIHO

SACHI

AOI

 

2022年から始まってはや3年。mameさんとシケンジョテキでおなじみの山梨県産業技術センターの五十嵐哲也さんと、ハタオリマチにこんな女の子がいたら楽しいな、こんな女の子いるよね、といういわゆる妄想会議の機会を何度も重ねストーリーを作り上げていきました。mameさんと五十嵐さんの発想は毎度右斜め上をゆき、そのたびに胸を踊らせました。あれほど楽しく、盛り上がった会議は過去にもないのではないでしょうか!!

3人の女の子の3年間のストーリー、計9点の作品を描いていただきました。どのロケーションも、ハタオリマチに存在する、織物工場や、名所ばかり。mameさんが描くハタオリマチの風景は、ウェブサイトや、まちなかに貼ってもらっているポスター、はがきなどに残し、これからも街に受け継がれていきます。



3年間の集大成の展示「私のハタオリマチ日記展」のリポートはこちら
「私のハタオリマチ日記」の公式サイトはこちら

2024.11.1

「ハタオリ学」グッドデザイン賞を受賞しました。

ハタオリマチの織物を楽しく学べる教科書「ハタオリ学」が完成しました。
(オンライン販売はこちら)

ハタオリ学は「地域に根ざしたハタオリから、この街独自の面白さやそこから生まれる可能性に気がつくきっかけになれば」という、地元の織物職人さんたちによって発案され、3年の歳月をかけて制作しました。本書は市内の小中高校に寄贈され、今後は「富士山学」などの授業で、織物職人さん自ら先生として学校を訪れて授業を行う予定のほか、「ハタオリ学」を20ページにまとめたミニブックも織物工場の見学会などで配布予定です。2024年5月16日(木)よりオンラインでも「ハタオリ学」の販売を開始しております。

本書は、歴史学、地理学、民俗学、音楽・文学、社会学、人類学、機械工学、染色化学、経済学など、織物の視点からさまざまな「学びの入口」を用意しています。イラストや写真が満載で、縄文時代に地域で布を作っていた歴史や、四大文明と四大天然繊維が共に育っていたことを学べる地理学、夏目漱石、芥川龍之介、太宰治などの文豪が「甲斐絹」について綴った作品を知ることができる文学ページなど、ユニークな視点から楽しく学べる内容になっており、調べ学習や夏休みの自由研究にもぴったりです。

専門的な分野については、ふじさんミュージアムや山梨県産業技術センター繊維技術部 の他、様々な専門家のアドバイスをいただきました。

特別仕様の織物製本も制作しました。産地の特徴である「先染め・細番手・多品種」な織物に触れることができるよう、裏地、服地、ネクタイ地、座布団地、傘地、インテリア地などの織物を使用した上製本です。織物製本のハタオリ学は、今後展示を予定です。

 

「ハタオリ学」 概要
発行元:富士吉田織物協同組合/山梨県富士吉田市上吉田2丁目5−1
編著:高須賀 活良
編集・デザイン:株式会社トリッキー
製 本:株式会社望月製本所
出版部:株式会社トリッキー
サイズ:B5判 上製本 160 ページ
発行部数:3,000 部
販売価格:3,960円(税込)
販売場所:オンライン、ハタオリマチ案内所など
(オンライン販売はこちら)

■ハタオリ学 発起人
渡辺 太郎(有限会社渡小織物)、加々美 琢也(光織物有限会社)、渡邊 竜康(渡邊織物)、槇田 洋一(株式会社槙田商店)

■協力:富士吉田市、山梨県産業技術センター繊維技術部 、篠原 武(ふじさんミュージアム 学芸員)、 富士吉田市教育委員会 歴史文化課、大田 康博(駒澤大学経営学部教授 博士)、家安 香(Edelkoort East 株式会社)、奥田 博伸、大原 麻実(株式会社奥田染工場)、小室 真以人(株式会社マイトデザインワークス)、重松 久惠、土橋 寿、成田 典子(株式会社テキスタイル・ツリー)、水越 欣一(株式会社ふじよしだまちづくり公社)、森脇 由梨奈(irodori)、渡邊 教一(富士吉田織物協同組合 元理事長)、渡邉 徳重(渡辺機械)

■写真:井上 綾(kichijitsu)、いわさ ゆうこ、木村 泰之(ハタオリ学メインビジュアル撮影)、小室 真以人(株式会社マイトデザインワークス)、シケンジョテキ(山梨県産業技術センター繊維技術部公式ブログ) 、杉原 悠太(シーダ株式会社)、高須賀 活良、田村 孝介、土屋 誠(BEEK DESIGN )、寺田 哲史、平野 優太(HERBSTAND)、堀田 ふみ(Fumi Hotta Design)、毛利 朋子(株式会社トリッキー)、渡邊 竜康(渡邊織物)

■イラスト:片岡 美央、死後くん、竹永 絵里、藤原 徹司、Yamamoto Haruca
■校正:横山 壽信
※敬称略

2024.4.16

前掛け専門店Anything(エニシング)さんを見学しました。

とても久しぶりの投稿になります。
この時代、SNSを持たない私達ですが、毎日楽しく、そしてTRICKYは元気に活動しています!

ここ数年は、山梨県富士吉田市・西桂町の織物産地の産業PRに関わらせていただき
コロナ以前は、その関係で全国の産地見学など行く機会も多く、交流を重ねてきました。
今回はとても久しぶりの産地見学ということで、西桂町にある傘屋「槙田商店」さんと一緒に
愛知県豊橋市にある、前掛け専門店「Anything(エニシング)」さんに見学に行きました。

エニシングという屋号は、人と人が出会う=ご縁(えにし)が続いていく(ing)ことで役に立つ仕事をしたい
との想いから、社名を「エニシング(縁+ing)」にしたそうです。
2000年に創業され、当初は、漢字Tシャツの企画販売としてスタートしたそうですが
その後、日本に現在唯一残っていた前掛けの産地・愛知県豊橋の前掛け職人たちとの出会いがきっかけで
前掛けの制作をスタートしたそうです。

現在の織物産地界に、新規で工場を作ることは大変珍しく、
私たちの関わっているハタオリマチでは、未だ見たことがありません。

ここ数年で織物および織物関連事業にどんどん詳しくなっているのですが
この写真の装置は「整経(せいけい)」という
織物のタテ糸を揃えるための機械です。
織物には、糸に撚(よ)りを加えたり、染めたり、織ったりと…
とにかく1枚の生地を織るのに多くの工程があります。くわしくはこちら

その中のこの「整経」を行う機械、いわゆる整経機は山梨にもあります。
ですが、この整経機が「新しい」そして、「手作り」ってとこに個人的にはすごく驚き感動しました。
 そう、このエニシングさんの工場は、1から全部自分たちで作り上げた工場なのです。

・「前掛け」という文化の面白さ
・天然繊維、染料を使った素材へのこだわり
・その土地の歴史ある織機
・手作りの新規工場

ものづくりの環境への配慮であったり、ストーリーを重要視される時代。
エニシングさんは令和のものづくりの最骨頂なのではないでしょうか。

槙田商店の代表取締役 槇田洋一さん

壁面には織機の部品がきれいに管理されています。
インテリアとしてとてもかっこいい。

エニシングの代表取締役社長の西村 和弘さんと槇田さん

 

前掛け用の厚地綿の生地

工場の動力はこちらのモーター。
このモーターも社員さんが持ち上げて取り付けたそうです!

外観も素敵。ロゴが引き立っています。

織物工場は動いている動作音が大きいのですが
この立地はなんと新幹線の線路の真横に位置しているので
近隣の方ともなにも問題なく稼働できるそうです。
そんな場所と出会えるなんて素晴らしいご縁ですね。

綿の他に、シルクや麻などさまざまな天然繊維を使います。
これはガラ紡。

ずらりと並んだオリジナル前掛け。
前掛けは、紐で骨盤部分でぎゅっときつく縛ります。
これは立ち仕事や重たい荷物を上げ下げする人のために考えられたデザイン。
このような前掛けの歴史、機能性などのストーリーが海外で支持されているそうです。
ヨーロッパ、とくに個人のオーナーのセンスが光る店が多いフランスにファンが多いとのことです。
額に飾ったり、洋服のコーディネートとして楽しんだり、逆に参考になる活用方法がたくさん。

そして、とってもおしゃれなオフィス。
海外のデザイナーがここで滞在して制作することもあるそうです。
理想です…

ここではエニシングさんのブランドのことや、工場を見学させていただいたことを書きましたが
夜のお食事会では西村さんの経営哲学や、社員さんのものづくりへの愛や、パッションを肌で感じ
刺激的なお話を沢山伺うことができました。集合写真をカメラで撮り忘れて残念!!

最近はオンラインの会議が増えましたが、
こうやって熱量を持って作り上げる会社や経営者の方に実際に会うことって
大事だし、やっぱ好きだな!と感じた一日でした。

2024.1.1

2024年あけましておめでとうございます

旧年中は大変お世話になりありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いします!

さて、2年ごとの年賀状のみブログ更新する日々になってしまっていますが…笑
私達は元気にやっています。

旧年中は、文化庁の日本遺産プロデューサーに任命していただいたり、❝1000年以上続く山梨ハタオリ産地❞ハタオリマチのハタ印に携わらせてながら、富士山の麓をずっと駆け回る日々でした。そんな私達の胃袋を山梨県富士吉田市で支えてくれているのが「糸力」です。スパイスカレーの先駆者であり、その味に糸井重里さんが惚れ込んでレトルトカレーを発売しちゃったほど、カレーがとっても美味しいお店なのですが、私達のおすすめは漬けマグロ丼。糸力のマスターが沼津から仕入れるお魚たちは絶品で、いつも唸りながらその旨味を噛み締めています。

そんなわけで、本年は私たちの元気の源「食べること」に注目して、お手軽薬膳ふりかけである「七味唐辛子」を年賀状でお届けすることにしました。この七味唐辛子は「糸力」オリジナルの配合で、山椒が効いていてクセになるおすすめの逸品です。糸力の七味唐辛子がなぜこんなにも美味しいのか不思議に思ってマスターに聞いてみたところ「カイエンペッパー (完熟した赤唐辛子を乾燥させた香辛料)を使っているところがポイントだね」って教えていただき、また心を射止められました。笑

心と体を健康に保ってくれる食事を楽しみつつ、本年も頑張ろうと思います!

そして、本年もみなさんが楽しく健康的な1年になりますよう祈念しています。

株式会社トリッキー   高須賀文子 毛利朋子

2022.1.1

2022年あけましておめでとうございます

みなさんお元気でお過ごしですか?

コロナ禍で、動けぬ日々が続いていましたが、私達の取り柄である「魅力の発信」をするため、2021年は❝1000年以上続く山梨ハタオリ産地❞ハタオリマチのハタ印に携わらせていただき、富士山の麓をずっと駆け回っていました。

そういった活動を続ける中で、より一層地域やものづくりに対して強い想いを巡らせていました。そして、地球環境のことを考える時間もたくさんありました。

そこで、私たちが出来る第一歩として、今年の年賀状では蜜蝋ラップを作ってみることにしました。

写真の素敵な布は富士吉田市にある織物工場TENJIN-factory(テンジンファクトリー)さんのリネンです。ちなみに、エジプトのミイラもリネン(麻)で巻かれていたくらい、リネンは非常に強い繊維です。大切に使えば、孫の代まで使えると言われています。テンジンさんのリネンを使っていると小林新司さんが織っている姿が浮かぶので、大事に大事に、とても大切に使いたくなります。

どんな感じで織物が織られているか気になった方は、動画でチェックしてみてくださいね。

洗えば何度でも繰り返し使うことが出来る蜜蝋ラップのことをずっと気になっていたのですが、御縁をいただきwa_on works(ワオンワークス)さんに作っていただきました。蜜蝋ラップは野菜も呼吸できるそうなので、ハーブや野菜を包んだり、ちょっとしたお菓子を包むラップの代わりにとても良さそうだなぁと、今から使うのが楽しみでしかたありません。

大事に使えば1年くらいは使用できるそうです。色移りや折り目がついてしまうことがありますが、ご愛着いただければ嬉しいです。

最後に、蜜蝋ラップのお手入れと使用上の注意を記載しておきますね。

【使用上の注意】
・洗い終わったら布で優しく拭くか自然乾燥させ、折らずに常温か冷温所で保管してください。
・冷たい水で洗って乾かしてください。洗剤はアルコールが入っているものだと蜜蝋や樹脂が溶けてしまうことがあるので避けてください。汚れがひどいときはアルコール不使用の洗剤を少量つけて洗ってください。
・蜜蝋ラップは熱に弱いため、お湯で洗わないでください。
・ミツロウが溶けはじめる温度(融点)は60度前後です。熱湯や蒸気などの高温、火気に近づけないようご注意ください。
・電子レンジ、オーブン、食洗機、乾燥機にはご使用になれません。
・消毒できないため、生肉や魚など生ものへの使用はお避けください。
・かんきつ類など酸の強い食品や色の移りやすい食品へのご使用はお避けください。
・ミツロウを使用しておりますので、満1歳未満のお子様の口に入るものには使用しないでください。
※ミツロウは、はちみつから作られているため

ブログをなかなか更新できずごめんなさい。。
近況報告は、高須賀文子のFacebookに綴っているので、気が向いたら覗いてみてください。

本年も、次の未来を育む活動ができるよう頑張りたいと思います!

みなさまにとって明るく楽しい一年になりますことを祈念しています。

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